「NEOPROS ネオプロス」「GOLDPROS ゴールドプロス」
- キョーリン
- 新世代フレーク:熱帯魚のエサ「ネオプロス」、金魚のエサ「ゴールドプロス」
新世代フレーク 開発秘話 8つの機能を持った新世代フレークが完成!ひかりフレークから配合を一新、数々の実績を残している「ひかり菌」を配合
開発で遭遇した、数々の悪戦苦闘。商品に託した想い・・・裏側の全てを告白します
秘話4 キョーリン 営業部 先陣きっての傑作品です 大阪営業所 所長 M主任
エサのパラダイムシフトを起こせ!
- なぜフレークをリニューアルされたのでしょうか。
フレークというエサは、対象となる魚種が多岐にわたっていますし、対象ユーザーも幅広い商品です。そのようにスタンダードな商品だからこそ、より良いものに変えたいと思いました。既存フレーク商品については、発売以来10年以上経っていることもあり、水汚れや魚の健康に関してまだまだ改良できる余地があると思っていました。「水を汚しにくい」「魚を健康に育てる」という高機能のエサが、1から開発すれば出来るのではないかと考えました。この10年の間には製法や配合面で技術の蓄積もできていましたし、ひかり菌の入った商品も発売していましたので、ある程度目算がありました。フレークはまたもっとも基本的なステープルフードというカテゴリーの商品ですから、すでにロングセラー商品の存在があり、長年同じエサでなにも問題がないという方がほとんどだと思います。それを覆して使っていただくため、あらゆる角度から「これでもか!」というぐらいにプラス要素を盛り込みました。
- では、既存製品の後継という位置づけではなく、まったく新しいエサを作り出そうとされたわけですね。
単純に魚が飼育できるエサは多数ありますが、飼育者が楽になるというコンセプトのエサはありません。水を汚さなければ魚も楽(健康)になりますし、飼育者も手入れが楽になります。そういう新しいコンセプトでエサを作ることを目標に、3年前にプロジェクトをスタートしました。
やや大げさな言い方になりますが、開発当初から「餌のパラダイムシフトを起こしたい!」という目標がありました。「魚が楽」「飼育が楽」「高い効果がある」というエサは、きっと画期的なものになるのではないか……と。
壁に当たったゆえに生まれた多機能性
- プロジェクトは何人体制でしたか。
商品開発部の私がリーダーとなり、同じ部署から2名、山崎研究所から3名、キョーリンフードから3名、営業部から3名が参加して合計10名程度です。また実地テストでは、生体を扱う神畑養魚にも協力してもらいました。企画開発部がリーダーとなり要求仕様を決めて、山崎研究所がそれをもとに配合設計および性能試験を行い、キョーリンフードで製品製造して、営業部はパッケージのデザインを担当しました。
- プロジェクトリーダーとしては苦労や不安はたくさんあったでしょうね。
それはもう……(笑)。実のところプロジェクト開始半年ぐらいで骨子になる部分は出来上がっていました。しかし後から考えると、まだまだそれはスタートラインに立っていたようなもので(笑)、ここから試行錯誤の連続がはじまりました。「水汚れの少ないエサ」「食いつきのいいエサ」「成長のいいエサ」など個別に効果の高いエサを作ることはできても、それをすべて兼ね備えて、バランスをとることが非常に難しい問題でした。魚の嗜好性を優先するのか、飼育の利便性を優先するのか、どこを最優先するのかというバランス調整にかなり苦労させられました。
それは積み木を組み上げる作業にも似ていて、高くしたいという願望は持ちながら、どの位置を一番高くするか、あるいはいくつ山を作るか、もしくはどの高さまでこだわることができるのか…それがまったく見えない状態での挑戦が続きました。こちらが要求仕様として希望しても、現実的には実現不可能という要素はあるわけですから、そこを諦めるべきか、もっとこだわるべきかの見極めが非常に難しかったですね。
- その答えはどうやって求められたのですか。
まずは原材料から当たりなおしてみました。新しいエサを作るわけですから、基本となる原材料に対してあらためて基礎試験を行なって、それぞれの素材の特性…フンの多い材料は何か、水の汚れやすい材料は何か、食いつきのいいものは何かなどの特性を把握して、新しいエサに適しているものを模索しました。「いまさら…」という原材料からでもひとつひとつ検証していきました。
長い開発途中で壁に当たることもありましたね。悩んだ時には、ひとりの力ではどうしようもないので、それぞれ専門の担当者から代替案や別方向のアイデアをいろいろとひねり出してもらいました。Aという要素が駄目だったら、それが不可能であるというままにして置いておかない。Aができないときは、BのプランやCの案で補填するアイデアが寄せられて、グループ全体の知恵や技術を持ち合うことで、結果として「妥協しない商品作り」ができたと思います。
「水を汚さない」という命題にこだわる!
- コンセプトの基本である「水を汚さない」とは具体的にどういうことでしょうか。
フレークが起因する「水の汚れ」としてはいくつかあります。まずは残ったエサで水を汚すということがひとつ、つぎにろ材の目詰まりなどで水を汚すということがひとつ、そしてエサそのものの着色料で水を汚すということがあげられます。
フレークというエサの性質上、エサのクズ(食べ残し)が多く出ます。魚が食べやすくて、かつ食べかすが出にくいフレークになるよう工場で製法を追求すると同時に、完全にエサくずが出ないということはありえないので、食べ残しを分解する菌はいないかと探しました。
- そこで出会ったのが、パッケージに書かれているGB菌ということですね。
-
そうです。有機物分解に優れたGB菌を加えることで、エサくずが残っても、その菌が分解して水が汚れないようにしました。さらに、このGB菌に、みなさんにはもうお馴染みのひかり菌をプラスしたダブル生菌効果で、ろ過槽の有機物分解を促して目詰まりを抑えるようにしています。また着色料を使用していないので、フレークエサそのものから色素がでるということもほとんどありません。GB菌などの働きについては別章で研究所スタッフから説明させていただきます。
- なるほど、エサそのものの配合と、菌の配合により、水を汚さないフレークができあがったわけですね。
ユーザーの方に、「水を汚さない」とわかりやすく実感いただけるよう、水質のデータやろ材の汚れの違いがはっきり出るまで、妥協せずに何度も作り直しました。ユーザーの方がすぐに明らかに実感できるレベルまでには効果がでないと、新しいエサとは言えませんからね。
それは嗜好性についても同じです。ユーザーが実感できるレベルというのは、すごい差がないと感じられないものです。作るからにはそこを目指そうと、従来品に対して、1.5倍以上の食いつきを実現しましたので、まったく嗜好性が違うことを感じていただけると思います。
- 水を汚さないことも、嗜好性がよいことも、愛好家としては嬉しい機能だと思います。
新製品の着想として、私自身が趣味として熱帯魚飼育しているうちに、エサに対して「こういうふうにならないのかな」や「こうしてほしい」と思ったことをすべて実装しました。メーカー側の企画・営業・開発等の立場を捨てて、エンドユーザーが「本当に欲しいものは何か」を客観的に問い詰めて製品化したいというところがスタートです。
スタンダード商品へと成長させたい!
- 今回は「ネオプロス」と「ゴールドプロス」という2つのラインナップですね。この違いはなんでしょうか。
-
「ネオプロス」はネオンテトラなどの熱帯魚用で、「ゴールドプロス」は金魚を対象にしています。対象魚種と飼育愛好家の傾向により、それぞれをマッチするように配合構成を変えています。 まず金魚という魚種はそれほどエサによる嗜好性の差が出にくい傾向にあります。ユーザーの傾向としては熱帯魚はマニアが多く、金魚はライトユーザーが多いと思われます。つまり金魚の場合は、ろ過システムが十分でなく、なおかつそれほど嗜好性にうるさい訳ではないですから、水汚れなど環境への負担を軽くすることを優先すべきと考えて、「ゴールドプロス」は飼育の利便性を優先して水を汚しにくい配合にしています。一方で多くの熱帯魚は嗜好性にうるさくエサによって食べる食べないがハッキリ異なる傾向がありますので、熱帯魚用の「ネオプロス」は嗜好性を優先しました。食べ残すと水汚れの原因になりますしね。
- それぞれの魚種や愛好家の傾向に応じて違いがあるわけですね。ちなみにですが、お聞きしたような機能をもたせるとなると、高機能ゆえの高価格ということになってしまいませんか。
-
いいえ、従来商品とほとんど変わらない金額で発売いたします。エサそのものの機能は高くしても、製造ラインの合理化や作業工程の簡略化など直接中身に関係ないところで、金額に影響が出ないように配慮いたしました。
- ユーザーのお財布にも配慮された……と。
はい(笑)。すぐに違いが実感できる商品ですので、ぜひ一度使っていただきたいと思います。
当社では「クリーン赤虫」や「咲ひかり」など業界スタンダードとなっているアイテムがいくつかあります。今回の「ネオプロス」と「ゴールドプロス」についても同じく、業界トップブランドになるアイテムと位置づけています。初めて魚を飼う初心者の方から長年飼育されているマニアの方まで満足していただける商品にしたつもりですので、幅広いユーザーさんに使っていただきたいです。
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