TOP > 基礎研究 > パラサイトクリア2 寄生虫(白点虫)への効果を検証
これまで寄生虫のダクチロギルス、ギロダクチルスを駆除できることがわかっている7つのハーブに関して、 外部試験で白点病への効果が確認されましたのでご紹介します。
実験者:西川洋史 博士(海洋科学 東京海洋大学)
準備
感染試験
白点病発症魚(デメキン)を5尾ずつ同居開始し、発症魚数をカウント
※同じ飼料を引き続き給餌
試験①
考察
ハーブ区のワキンは白点病のデメキンからの感染が1尾も見られず、白点病への予防効果があると言える。
また、5日目にはデメキンの白点病が治っており、白点病の治癒を早める効果も考えられる。7日目に対照区でも発症魚が減っているが、これは同居前に新しくきれいな水にしたことで金魚の自己免疫力による治癒の可能性か、白点虫が金魚の体表で成虫になり離脱したタイミングでの減少が考えられるが、水槽中には白点虫がシストとして潜んでいる可能性がある。
準備
感染試験
白点病発症魚(熱帯魚のオスカー7〜8cm)を同居開始し、発症魚数をカウント
※白点総数が同じ程度になるように個体数を調整
※同じ飼料を引き続き給餌
試験②
考察
ハーブ区はハーブ配合飼料を1ヶ月食べているワキンはもちろん、2週間しか食べていないデメキンにも同居7日目に1尾しか白点が見られず、予防効果があると言える。これにより2週間という短い給餌期間でも効果が期待できることがわかった。
さらに、4日目にはオスカーの白点病が治っており、白点病の治癒を早める効果も考えられる。対照区は試験期間の最後まで白点病発症魚が0になることは無かった。
準備
感染試験
水槽をセパレーターで3区に分ける
白点病発症魚(キンギョ5尾)、ハーブ区、対照区のオスカーをそれぞれの区画に入れ経過観察
※同じ飼料を引き続き給餌。発症魚には通常飼料を給餌。
試験③
考察
ハーブ区のオスカーは、試験期間中ずっと白点病を発症しなかった。対照区のオスカーは、2尾ともに一定期間白点病を発症した。これにより、7つのハーブには白点病の予防効果があると言える。発症魚のキンギョは病状が重く、試験期間中に通常飼料を与えていたこともあり白点症状が消えることなく徐々に斃死していった。
準備
感染試験
水槽をセパレーターで3区に分ける
白点病発症魚(キンギョ2尾)、ハーブ区、対照区の熱帯魚をそれぞれの区画に入れ経過観察。
※同じ飼料を引き続き給餌。発症魚には通常飼料を給餌。
※魚イラスト:2尾分を1尾で表示
試験④
考察
熱帯魚のプラティでは、ハーブ区において白点病の発症を完全に予防することは出来なかったが、対照区に比べて発症率低下と発症期間の短縮が確認された。コリドラスは、いずれの区もほとんど白点病に感染しなかった。発症魚の金魚は症状が重く、通常飼料を与えていたこともあり試験開始3日目には2尾とも斃死した。
準備
感染試験
白点病発症魚(アベニーパファー10尾)、ハーブ区、対照区の熱帯魚をそれぞれの水槽に入れ経過観察。
※同じ飼料を引き続き給餌。
※魚イラスト:2尾分を1尾で表示
試験⑤
考察
体力のない小型熱帯魚を使った白点病の感染試験を行った。対照区では発症魚の同居から4日目でネオンテトラ、プラティともに感染が確認されたが、ハーブ区はネオンテトラが6日目、プラティが7日目と感染を遅らせることができた。また対照区では期間中にネオンテトラと発症魚のアベニーパファ―が全魚斃死し、プラティが8尾斃死したが、ハーブ区の斃死数はネオンテトラ、プラティともに4尾、発症魚のアベニーパファ―も半数の5尾にとどまった。期間中トータルの斃死数は全30尾中、対照区が28尾、ハーブ区は13尾と大きく減らすことができた。小型熱帯魚では白点病の完治には魚病薬投与などの処置が必要だが、7つのハーブ配合飼料を与えていれば、早い段階で処置を施すことで斃死数を限りなく抑えられる可能性が考えられる。
図中②のように魚の体表に見られる白点虫は実際は表皮の下の真皮に寄生しており、通常メチレンブルー液などの薬が効かない。
ところが試験①②において、ハーブ区では短期間に発症魚の白点数の減少(白点病の治癒)が確認された。これにより、7つのハーブが魚の体内から白点虫に影響を及ぼした可能性が考えられる。